To不定詞のネイティブ的な発音は?

中学英語で、「To不定詞」という使い方を学んだと思います。教科書的に言えば、

・副詞的用法

I got up early TO STUDY English this morning.「勉強するために起きた」(動作の目的・意図を表している)

・名詞的用法

I like TO READ comics.「読むことが好きだ」(動詞の目的語になっている)

・形容詞的用法

I have a lot of books TO READ.「読むための本」(本を後ろから修飾している)

 中学英語では、”To”を「トゥー」と発音すると多くの人は学んでいると思います。そうです、「伸ばす音」が入るように学んでいるはずです。

しかし、ネイティブは「伸ばす音」を入れていません。では、ネイティブはどのように発音しているのでしょうか?

ネイティブは、“T”だけを発音しています。例えば、

I like to read comics.→I like t’ read comics.

ソフトに発音することがポイントです。その他にも、以下のような不定詞も同様にソフトに発音します。

・need to go→need t’ go

・hope to find→hope t’ find

・has to answer→has t’ answer

また、ネイティブは、“t”をソフトに発音するとき”d”と発音することがしばしばあります。

・try to look →try d’ look

・came to help→came d’ help

・remember to include→remember d’ include

この「”t”を”d”と発音する」ことを知っていると、ネイティブの英語を聞き取るときに役立つだけでなく、自分がネイティブ的に発音することに応用できます。

・What are you doing?→Whad are you doing?「フヮユドューイン」(”doing”の”g”は無声音なので発音しません)

・computer→compuder「コンピューダー」

(”d”の次が”er”と”r”の発音がつながりますので、舌を口の中で丸めて、口のどこにも触れない位置において発音することがポイントです)

・water→wader「ウォーダー」

(”d”の次が”er”と”r”の発音がつながりますので、舌を口の中で丸めて、口のどこにも触れない位置において発音することがポイントです)

“of”のネイティブ的な発音とは?

今回は、”of”のネイティブ的な発音について取り上げたいと思います。

中学英語では、「オブ」または「オヴ」と発音すると習います。私が中学生の時にもそのように習いました。

ネイティブ的な発音について述べる前に、”of”が英英辞典でどのように述べられているか確認しましょう。様々に使い方がされますが、英英辞典で一番の項目では以下のように説明されています。

“of” = used to show what a part belongs to or comes from.

Example 1: the back of the house

Example 2: the last scene of the movie

Example 3: the end of the day

これらの例はよく目にする”of”の使い方ですね。Example 1では、「ザバックオブ(ヴ)ザハウス」、Example 2では、「ザラストゥシーンオブ(ヴ)ザムーヴィー」、Example 3では、「ジエンドゥオブ(ヴ)ザデイ」という感じで発音している人が多いと思います。

では、ネイティブはどのように発音しているのでしょうか?

ネイティブは”of”を「ウブ(ヴ)」とソフトに発音しています。アクセントは全く置いていません。

Example 1: the back of the house「ザバックウブ(ヴ)ザハウス」

Example 2: the last scene of the movie「ザラストゥシーヌブ(ヴ)ザムーヴィー」

Example 3: the end of the day「ジエンドゥウブ(ヴ)ザデイ」

もっとネイティブ的な発音になると、「ウブ(ヴ)」は「」と発音されます。

Example 1: the back of the house「ザバックザハウス」

Example 2: the last scene of the movie「ザラストゥシーザムーヴィー」(nとaがリンクしてとなる)

Example 3: the end of the day「ジエンドゥザデイ」

ただし、例外があります。

“The heart of a champion”のように、”of”に続いて母音の”a”がくる場合は、「アア」と発音できませんので、「ウヴァ」となります。

アメリカの映画をみていて、「サヌヴァビッチ」と発音されているフレーズを聞いたことがあると思います。「くそたれ!」などのように訳されるフレーズですね。このフレーズを表記すると、”son of a bitch”となります。”of”は「ウヴ」と発音されるのと、”son”の”n”と”of”の「ウ」がリンクしますので「ヌ」と発音されます。よって、「サヌヴァビッチ」となります。

この発音のことを知っていると、ネイティブの英語を聞き取るときに役に立ちます。

“and”のネイティブ的な発音とは?

今回は、”and”のネイティブ的な発音について取り上げたいと思います。

中学英語では、「アンドゥ」と発音すると学んだ人は多いのではないかと思います。かくゆう私もTOEFL iBTの勉強をしていても、”and”をネイティブ的に発音しようという意識はなく、「アンドゥ」と思いっきり発音していました。それでもTOEFL iBTのSpeakingのセクションでは、用が足りていたので問題は特にありません。

しかし、留学生活を始めてしばらくすると英語の生活に慣れてきて、少しずつ余裕がでてきます。そうすると、ネイティブがどのように発音しているかに意識を向けることができるようになりました。その中で、今回取り上げる”and”は、何気ない単語と思われるかもしれませんが、ネイティブに近い発音をしようと思うのであれば、あなどれない単語の一つになります。

ネイティブは、”and”を「ウン」と発音しています。”d”の発音はカットされていることがほとんどです。例文を挙げてみてみましょう。

“Curry an(d) rice”(カレーライス)

「カリーウンライス」

“and”の発音のコツは、「ウン」をソフトに発音することです。最初はゆっくりで結構ですので、何回か発音してみてください。慣れてきたら少しスピードを上げていきます。

次の例文はいかがでしょうか?

“You an(d) I”(あなたと私)

「ユーウンナイ」

この場合、”I”が母音のため、”an(d)”の”n”と発音するときにリンクしますので、「ナイ」と発音します。

“Nine hundred an(d) eighty yen.”(980円です。)

「ナインハンドゥレッドゥウンネエイティーイエン

この場合も同様に、”eighty”の”e”が母音のため、”an(d)”の”n”と発音するときにリンクしますので、「エイティー」と発音します。

 

何度も発音してみると、ネイティブっぽい発音をしている感じになりませんか?

「ロックンロール」は昔からよく耳にする日本語英語ですが、これは以下のように綴ります。

“Rock and Roll”→”Rock‘n Roll”

この場合も、「ウン」をソフトに発音することを知っていれば、自然と納得いくのではないでしょうか?

「たかが”and”、されど”and”」

さりげない単語の発音にも気を配ることができると、おのずと発音はよくなっていくと思います。がんばっていきましょう。

“Can”と”Can’t”の発音の違いは?

私がTOEFL iBTのListeningの勉強をしている時に大いに悩んだ言葉が、

“Can”と”Can’t”です。

ネイティブの発音を聞いていると、まったく区別がつかないのです。

どっちを発音したのか?

この違いが聞き取れないと、意味が真逆になりますので、私としては深刻な問題でした。例えば、

A: “You can do it!”

B: “You can’t do it!”

以前のブログの記事でも取り上げましたが、”t”は無声音のため、ネイティブは基本的に発音しません。

よって、A, B両方とも、「ユーキャンドゥーイッ」となります。

これは困りました。否定の意味を含む”n”の音をA, B両方とも含んでいますので、聞き分けることができません。

どのように聞き分けたらいいのでしょうか?

英語を教える免許を持つアメリカ人のインストラクターが経営している近所の英会話スクールに通っていた時に彼に質問しました。

彼は明確に発音の違いを説明してくれました。

 

A: “You can do it!”の”can”は「クン」

B: “You can’t do it!”の”can’t”は「キャーン」

A: 「ユークンドゥーイッ」

B:「ユーキャーンドゥーイッ」

Aの「クン」は軽く発音する感じで発音します。

一方、Bの「キャーン」はアクセントをつけて発音します。

強めに意識して明確に「キャーン」と発音すれば否定の意味で聞き取ってもらえます。

すこし音を伸ばすようにすると、発音を強めにしていることが伝わりやすいかと思います。

“t”を発音する必要はありません。

強く「キャーン」と発音すれば、ネイティブは否定の意味をくみ取ってくれます。

このことを知ってから、Listeningの時に悩まなくなりました。

また、留学生活を始めてからも、このことは大いに生かされ、会話に十分に取り入れることができました。

中学英語では、”can”を「キャン」と発音すると学びますし、”can’t”を「キャントゥ」と発音すると学びます。

中学の娘にもこのことを聞いてみると、同じようなことを学んだといいます。

私が中学英語を受けた30年以上前も現在も教え方は変わっていないのですね。

しかし、ネイティブはこのようには発音しません。

今日から是非、”can”は「クン」と軽く発音し、”can’t”は「キャーン」と強く発音してみてください。

ネイティブには自然に伝わることうけあいです。

“Good”の正しい発音とは?

“Good”は中学英語で真っ先に学ぶ単語の一つですね。

今回は、この”Good”の発音について取り上げたいと思います。

日本語的には「グッド」でしょうか?または「グッドゥ」でしょうか?

どちらでも構わないと思いますが、正しい発音には「口の開き方」がとても重要です。

“Good”の単語には”o”が二つ並んでいるからかもしれませんが、日本人の多くの人は、「口をとがらせる」という口の開き方をして発音しています。

かくゆう私も、このような発音をしていた一人です。

しかし、ネイティブはこのような口の開き方で発音をしていません。

ネイティブは、「イー」と「口を横に広げる」という口の開き方をして発音しています。

試しに私の口の形を写真に撮って、悪い例と良い例をアップしようと思いましたが、娘が、撮った写真を見て、なんか汚いといったのでアップするのは控えました(笑)。

申し訳ありませんが、皆様ご自分で口の開き方を試してください。「イー」と「口を横に広げる」という口の開き方をして「グッドゥ」と発音してみてください。

ちょうどよい写真がみつかりましたので、これを参考にしてみてください。

このように口を横に開いて「グッドゥ」と発音してください。

ネイティブと同じ発音になります。

最初は馴染まないかもしれませんが、繰り返して身に付けてください。

実際、「口をとがらせる」という口の開き方と、「イー」と「口を横に広げる」という口の開き方とで、音の聞こえ方は大差はないように聞こえます。

しかし、ネイティブと対面した状況で、「口をとがらせる」という口の開き方で「グッドゥ」と発音すると、ネイティブは心の中では、「ちょっとおかしい」と感じているはずです。

日本語を話す外国人の発音を聞いて、「そんなに気にならないし、意味も通じるけれど、ちょっと直してあげたい」時ありませんか?

おそらく、ネイティブはこんな感覚で受け取っていると思います。

私がこのことを知ったときは、正直なところ大きな驚きでした。

“L”や”R”の発音はとても気を付けて体得しましたが、”Good”については口の開き方を中学英語で学んだ記憶がありません。

おそらく教えられていないと思われます。

今回のこの記事を読まれた方は、早速実践してみてください。

そして、友達、職場の同僚、家族(子供)にぜひ教えてあげてください。

「えー、うそだ!」という声が聞こえてきそうですが、私はネイティブから教えられましたので、間違いはありません。

「あなた次第だよ」を英語でいうと?

留学中は、すべての講義をボイスレコーダーで録音して、講義が終わった後に、図書館や自宅で再度その録音を聞きながら、復習をしていました。ハンドアウトと照らし合わせながら、録音された講義を注意深く聞くのですが、いまいち聞き取れない言葉があるときは、再生速度をゆっくりにして、どのように発音されているかを聞き取るようにして対応していました。それを繰り返していたある日、聞き取れるけれど意味が分からない英語表現にぶつかりました。

“It’s up to you.”

講義中は、何名かの教員の口からこの言葉を聞きました。普通の速度で発音されても聞き取れるけれど、意味が分からない。日本人のクラスメートに助けを求めました。すると、

「あなた次第だよ!」

ということでした。なるほど!!!合点がいくようになりました。

ロングマンの英英辞典では次のように説明されています。

“be up to somebody” = used to say someone can decide about something: You can pay weekly or monthly – It’s up to you.

「決定権は”You”にありますよ。」ということですね。身をもって体感したフレーズでした。

“It’s up to you.”「あなた次第だよ。」

この表現の意味を知ってから、自分の考えをしっかり持とうという意識が強くなりました。自分がどうしたいか?どう生きたいか?留学経験をどのように活かしたいのか?

だれもが経験できるわけではない留学をした私にとって、留学で学んで体得した知識や技能を、自分だけの経験に終わらせたくないというのが自分の考えでした。いろんな方に支えられて留学できたわけなので、恩返しを含めて留学経験をいろんな人とシェアしたい。これが私の帰国後の大きな目標になりました。

帰国して医療機関に勤めているときは、留学経験で学んで体得したものを職員教育に活かしました。また、実習にくる学生に対しても、留学で学んで体得したものを教育に活かしました。現在は大学で教鞭をとっていますが、いろんなことが学生教育に活かせています。私が在籍する大学と、私が留学した大学との間の海外実習の提携、アメリカの大学教育ですでに行われているアクティブ・ラーニングの本学での導入。

“It’s up to you.”

いろんなことに気づかせてくれた英語表現でした。

“as in”の使い方は?

留学生活を始めて、いろんな英語表現に出くわしては身に付ける日々でした。その中で、今回は”as in”の使い方について述べたいと思います。

例えば、健康食品の無料モニターに電話で応募したとしましょう。オペレーターの女性は、応募してきた人の名前を漢字でどう書くか聞いてきますね。

オペレーター:「ヤマダタロウさんはどのような漢字を書かれますか?」

ヤマダタロウ:「山や川のヤマ、田んぼのタ、太いのタ、朗らかのロウ」

こんな感じで例を挙げて説明することが多いですね。”as in”はまったく同じこの状況で活用します。

Operator: “How do you spell your first name?”

Nick: “My name is Nick. N as in Nancy, I as in Ink, C as in Candy, and K as in King.”

電話でのやり取りだけでなく、ショップの窓口で自分の名前のスペルを伝えるときにもよく使います。

“as in”の次に持ってくる例示の単語は、一般的に知られている単語を使うようにしましょう。あまりマイナーな単語を使うと聞き取ってもらえない可能性がありますので注意しましょう。

“A as in Apple.” “B as in Boy.” “C as in Candy.” “D as in Dance.” “E as in East.” “F as in Frank.” “G as in Giant.” “H as in House.” “I as in Ink.” “J as in Japan.” “K as in King.” “L as in Lemonade.” “M as in Marine.” “N as in Nancy.” “O as in Ocean.” “P as in Pink.” “Q as in Queen.” “R as in Red.” “S as in Snake.” “T as in T-shirt.” “U as in Unique.” “V as in Video.” “W as in Wow” “X as in Xerox.” “Y as in Yes” “Z as in Zebra.”

この表現を身に付けてから、電話での申し込みもあまり気にならなくなりました。自分の名前のスペルを伝える表現は実に簡単ですので、今日この記事を読んだら早速自分の名前を伝える表現を口にしてみましょう。

 

“t”の発音を知っておこう!

今回は、英語の発音の中で、”t”の発音に注目して述べていこうと思います。

学校教育における英語の教科で、最近はどのように教えられているかはわかりませんが、私が受けた中学英語・高校英語では、”t”の発音について特段教育を受けた記憶がありません。よって、”t”を含む単語はすべて「トゥ」と発音していました。

留学前に日本で学んでいた英会話スクールのネイティブのインストラクターからは、「”t”は無声音だから発音しない。」と教えられました。例えば、

“No, I don’t.”

「ノーアイドントゥ」ではなく、「ノーアイドン」と発音するのがネイティブの発音となります。Notのnが「ド」の発音の中に含まれていますので、否定の意味を表す単語の一部は発音されているので、ネイティブには通じるということです。

“A little bit.”

この表現はどのように発音すればよいでしょうか?「アリトルビットゥ」と発音していませんか?同じように無声音として扱いますので、「アリルビ」がネイティブの発音となります。この表現は、日常英会話でよく用いるものですが、ネイティブが”t”を発音しているところを聞いたことがありません。「アリルビ」でしっかり伝わりますので、英会話の際に使ってみてください。

“hot dog”

これはどうでしょうか?そうですね、「ホッドッグ」ですね。この場合は、Sibling Consonant Linkという発音の原則に従っています。

Sibling Consonant Link : 単語の末尾が子音で終わっているものと次の単語の頭の子音が同じ(または似ている)場合、単語の末尾の子音の発音をカットして二語をつなげて発音すること。

“big girl”

例えばこの場合、単語の末尾の子音gと次の単語の頭の子音gが同じですので、最初のgの発音をカットして、「ビッガール」と発音します。

英語の”t”は”d”として発音することも多いので、”hot dog”は”hod dog”となり、最初のdの発音をカットして、「ホッドッグ」と発音することになります。

この「”t”は”d”として発音することも多い」というところが意外と盲点でして、私もしばらく馴染まなかったところでしたが、よくよくネイティブの発音を聞いていると、”d”の音が聞こえることが分かりました。

“What are you doing?”

「フヮユデューイン」とネイティブは発音していますね。”t”の発音をこのように知っておくと、ネイティブに近い発音ができますね。

「伝えたい」という気持ちが英会話には大事!

コメディアンの出川哲郎さんが、カタコト英語を駆使しながらアメリカの街中の目的地に向かう番組がありますね。この番組を見て、英会話の神髄を見ているような感じになるのは私だけでしょうか?

ご覧のように彼は英語を話せるというレベルでは確かにありません。しかし、自分の知っている表現を一生懸命使って自分の意思を伝えようとしています。そして、ネイティブから手がかりを引き出し、目的地に近づいていきます。彼のなんとか「伝えたい」という気持ちがネイティブに「伝わっている」と私は思います。

英会話はお互いの考えや意思が「伝わらない」と成立しません。英会話を習い始めた方は、正しい英語を使わないといけないと考えることが多いと思います。事実、私も「留学するぞ!」と決めた当初は、正しい文法で英語を表現しないといけないと思っていました。そうすると、英語がなかなかでてこないということに気が付きました。頭の中で浮かんだ日本語を、正しい文法の英語に訳してから口にするという手順をとることになるので、スムーズにでてこないのはやはり当然の結果なのだと思います。

自分の考えや意思をスムーズにネイティブに伝えるにはどうすればよいでしょうか?

どうしても「伝えたい」と思うのであれば、ダイレクトな英単語が思い浮かばなくても、自分の使える英語表現を使って、「伝えたい」ことの「周辺」を説明することに集中するといいですね。

そうすると、自分が発する英語の情報が多くなりますので、ネイティブはそれを理解しようとしてくれます。自分が発する情報が多ければ多いほど、ネイティブは理解する手がかりが多いので相互理解が進みます。ゆえに、英会話が自然と成立します。

留学生活を始めると、その地を踏んだ瞬間から「生きていく」ための英会話が必要になります。「生きていく」ためには自分を「伝える」ことがとても大事になります。直訳できないことの方が多いですから、「伝えたい」ことの「周辺」情報を、自分の使える範囲の英語で表現することを日本にいるときから練習しておくと、いつでも海外で生きていけると思います。

留学生活は1日1日がサバイバルです。私は留学当初、「今日もなんとか生き延びれた。」と思ったものです。「伝えたい」「伝えなければいけない」という気持ちが強ければ強いほど、英語は上達していきます。「伝えたい」ことの「周辺」情報を英語で表現することは日本にいてもできることです。是非、やってみていただきたいと思います。

Not a big deal!

日本でTOEFLの勉強をしている時や英会話スクールで学んでいる時には知ることがなく、留学生活を始めてから知った表現があります。それは、

“Not a big deal!”

クラスメートのサウジアラビア出身の彼は、見るからに自信満々の人でした。一方、留学したての私は、英語で講義される内容をなるべく理解できるように、事前にハンドアウトをプリントアウトして意味の分からない単語を調べておき、ハンドアウトの全体の流れを把握し、講義中はボイスレコーダーで録音しながら、一生懸命カタカナでノートを取り、講義後は図書館などで再度講義を聞き直して内容を理解するなど、英語力のハンデをなんとかカバーしようとしている毎日でした。サウジアラビア出身の人と出会ったの初めてでしたが、彼を見ていると、アラブ系の人は生まれながらにして自信満々なのかと思ってしまいます。その彼と私が英語で話していると、彼はよく、

“Not a big deal!”

と僕にいうのです。最初は意味がよくわからなかったのですが、会話の前後から推測すると、「大したことないよ!」なんだなと分かってきました。このフレーズを知った私は、講義の予習や課題で切羽詰まっている時に、

“Not a big deal!”

と口ずさむようになると、なんだか自然とストレスが軽くなるのを感じました。

“Not a big deal!”

皆さんも、切羽詰まったときに発音してみてください。コツは、軽くサラリということです!

“Not a big deal!”

日本に帰国して働いてからも、時々口にします。プレッシャーがかかっていても、

“Not a big deal!”

子供が、勉強が分からなくてワーワー言っている時には、

“Not a big deal!”

と声がけします。なかなかかっこよくて、気軽な英語表現ですよね。

若いころは、勉強が分からなくて悩んでいたり、仕事で失敗して落ち込んでいたりしたときは、私もクヨクヨしていました。しかし、失敗したことを強引に前向きに捉えてしまうとか、すべてを強引にポジティブに解釈してしまう癖をつけると、立ち直りが早くなります。私の若いころを知っている仕事の同僚は、私のことを「ミスターブルー」と呼ぶくらい当時はマイナス思考でしたが、今では何でもポジティブに解釈するようになっていますので、人間は変われるものだと経験を通して痛感します。マイナス思考になったら、

“Not a big deal!”